美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

誰もがおかしい時代

っていうことだな。この主旨は何年も前から、色んな精神科医によって唱えられていたけど。

人格障害の時代 (平凡社新書)

人格障害の時代 (平凡社新書)

通勤電車の中で読了。誰もが少しずつおかしいのだが、押さえても押さえても、指の間から「何か」が漏れてしまう人のことを、我々は便宜上「異常」と名指す。しかし、その境界線は、まさに「境界線例」という診断名(!)が象徴するように、非常に曖昧だ。僕だって、どう診断されるか判ったものじゃない。
「自分が泣くのがノイローゼ、他人が泣くのが精神病」という古い言い方があるが、他人が泣くのを押さえつけるような「異常さ」が際だってきた、ということか(共依存なんか、そうだよな)。もっと言えば、異常さを自覚できず、泣くことすら忘れた状態にしてしまうような対人関係。
第7章が、「さすが哲学科中退のお医者さん」という感じの考察で、興味深い。