美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

私が日なたを占めているということは・・・

昨晩、とうとう読み終わりました。さすがの「オトメン」の僕も、尻がむずむずするのが止められず、なかなか読み進められなかったんだよね。

星の瞳のシルエット 6 (集英社文庫(コミック版))

星の瞳のシルエット 6 (集英社文庫(コミック版))

これが最終巻。いやあ、体に悪い片思い(実は両思いなのに)を延々読まされて、久々に甘酸っぱい気分になりましたわ。以前このブログで紙屋研究所さんのこのマンガのレビューを少しだけ引用したが、ほんと、宗教的な頑迷さに達していました、主人公の香澄ちゃん。「私が日なたを一つ占めているということは、誰かをそこから追いだしているということだ」という聖人の言葉が幻聴で聞こえてきましたよ・・・。「やっちゃえばいいんだよ(何をやるかはシチュエーションによります)」とすぐ言ってしまいそうな汚れた大人になった僕自身を反省(嘘)。以下、思ったことを箇条書きで。

  • 「野原で星のかけらをくれた男の子」って。これはまるで『キャンディ・キャンディ』の「ブローチ」をくれた「丘の上の王子様」だなあ(以下、僕が年寄りなので、『キャンディ・キャンディ』に引きつけて書いちゃいます)。
  • 久住君は、これはもう完全にアンソニータイプ。何、この完璧王子。
  • 白石君は、ステアの気配りとアーチーの華やかさを合体させたようなキャラだなあ。男前すぎる。
  • ということは、大学生活を描いた番外編の遠野君はテリィか?(しつこい)
  • 日野君、いい人すぎる。こんないい人、一昔前のKANや槇原敬之の歌にしかいないと思った。
  • でもヒロインがみんなアニーかパティタイプ。吉祥寺さんは・・・無理に当てはめることもないか。
  • にしても、真理子、うぜええええ(全国の真理子さん、済みません。この作品の真理子ですので、あしからず)。恐らく、リアルタイムで読んでいた人(僕と同世代の女の子たち)もそう思ったんじゃなかろうか。
  • 香澄ちゃんが少女マンガのヒロインの鉄則として、一点集中もてまくりなのはご愛敬(最後はそれを分散させてハッピーエンドにしてしまったのが、柊あおい先生の人の良さなわけだが)。まあ、容姿も地味目ながら良く、頭も良く、性格も(多少難儀だけど)いいとなったら、もてないわけないよな。でも、この漫画読んでいて常に頭でこだましていたのは「しかも顔がかわいくて成績もほどほどによくて、運動はちょっぴり苦手なんて、あんた私の人生にケンカ売ってんの?(岡田あーみんルナティック雑技団 (1) (りぼんマスコットコミックス (721))』p.42)」という言葉だった(笑)。
  • 高校の名前が「青陵」っていうのが、いかにも青春ものだよね。同時期に『ぶ〜け』で連載されていた吉野朔実先生の『少年は荒野をめざす』の高校名は「蒼陵」だし、確かあだち充先生のマンガに出てくる高校名って、みんな青春の「青」が入ってなかったっけ。
  • 文庫本4巻に入っている番外編(「お稲荷さん大パニック」)、これはほとんど自虐の域に入っているセルフパロディだよね。「ぶっちゃけた話、こうだったらこのお話自体成立しない訳よ」と半ば柊先生がやけくそで描いたような気がするほど。

追記:柊あおい先生の作品世界については、このサイトが詳しく解説してくれている。納得できる見解。