美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

久々の林権澤(イム・グォンテク)

韓国の宗教に関するエッセイを依頼されているので、久々にイム・グォンテク監督の映画「祝祭」を見る。アン・ソンギ主演の映画。伝統的な葬儀(失われつつある習慣)を丹念に再現した映画なので、民俗学的にも面白いと思う。

祝祭 [DVD]

祝祭 [DVD]

田舎の母が死に、その葬式を取り仕切ることとなった主人公と、かつて家を飛び出した主人公の姪を中心としたストーリー。姪を演じたのは「風の丘を越えて [DVD]」の主演をしたオ・ジョンヘ。パンソリで鍛えただけあって、劇中で歌う歌が上手すぎる。この映画を見るのは恐らく3回目くらいだが、味わい深い映画だよね。ついでに、佐藤さんの本もパラパラ(「祝祭」の記述に間違い発見。まあ、致命的なものではないけど。主人公の母親が行った行為を主人公が行ったと勘違いしている)。
韓国映画の精神―林権沢監督とその時代

韓国映画の精神―林権沢監督とその時代

十数年前は、韓国映画といえばイム・グォンテク監督の映画しか掛からなかった時期もあったんだよね(僕も確か、大学一年生の時、新宿で「シバジ(李朝時代の悲劇。主演のカン・スヨンが素晴らしい。まだ若かったのに堂々たるもの)」を見てくらーい気持ちでそのまま夜行バスに乗ったのを憶えている)。隔世の感があるが。