美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

李下に冠を正さず

という気持ちで辞任しない、と現在事務所経費で疑われている赤城某農相は述べたそうな(朝日新聞記事による)。

安倍内閣では、久間章生前防衛相が問題発言を繰り出すなどして、すでに4人が要職を去っている。赤城氏は自らの進退について「今後も『李下(りか)に冠を正さず』という精神でやっていく」と述べ、辞任を否定した。

このところの閣僚のアホさぶりには本当に開いた口がふさがらなかったけど、この言葉はちょっと突っ込みたくなった。
あのさあ、「李下に冠を正さず」って、疑われるとまずい人が最初っから疑われないように振る舞うって意味でしょうが。疑われてから行いを正すって意味じゃないよ。ようするに、もうこの議員は自分がこの言葉を使う権利を失っているということに気付いていないのだ(単なる言い間違いや記事での引用の仕方の問題かも知れないけど、彼からこの言葉が出た、ということを重く見たい)。
急に大臣になって色々やばいことを「正す(隠す?)余裕」もなかったかも知れないけど、国会議員ならまさにこういう事態にならないように前々から「瓜田に履をいれず」でやんなきゃだめでしょ。
僕はこういうのは職業倫理の問題としても勿論ダメだと思うが(奴も東大法学部出身かよ。志操を失ったエリートがいかに度し難いものか判るね)、まさに「李下に冠を正さず」という真似すらできていなかった無能さの表れと見る。