美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

業の深さ

古本屋で何気なく買ったこの本、単なる芸能人本とは違う迫力で、改めて斉藤由貴様(今回様付け)の「業の深さ」というか、「人間の大きさ」を感じました。

私の好きなあの人のコト

私の好きなあの人のコト

僕は由貴様が、「スケバン刑事」で「てめえら、許せでぇ(こう聞こえた)」と叫んでおられたとき、最高に好きでしたが、今回、由貴様の交友録をつづったこの本を読んで、ご自身の激しい恋愛についてしれっと語っておられるのを見て、思わず「おおおおお」と声を挙げてしまいました。
ファンなら判る、例の恋愛騒動時、自宅で泣きはらしている由貴様に、お母様が、
「あんたね、自分で選んだことなんだから、自信をもって堂々と不幸になりなさい、くよくようじうじしていないで、正々堂々と胸をはって不幸になりなさいよ」
とおっしゃったとのこと(p.15)。この母にして、この娘あり。
お母様だけでなく、勿論芸能界の交友録が語られているが、印象的だったのは、銀色夏生との関係(一時期、角川文庫から山ほど詩集が出ていたよね)。彼女は、由貴様のデビューCM(明星の「青春という名のラーメン」)を見て、急にインスパイアされて、そのまま曲を作ってテープに吹き込み、譜面も無しで送りつけてきたのだという(それが「AXIA〜かなしいことり」である)。凄すぎる。送りつける方も送りつける方だが、受け取る方も受け取る方だ。