美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

某IT社長のこと

H君は僕と同じ学科だったので(僕が一つ上の学年)、何となく気になる存在ではあった(他人事としてみられない、というほど親しくはなかったが)。
彼の思想や言動に共鳴・共感することは一切なかったが、ある種の臆面の無さに「壊し屋」として期待していたのも確か。それは恐らく彼に投票した選挙民と何ら変わるところはなかったと思う。

基本的に株というものはバクチであり、それで儲けることは非常に恥ずかしいこと、という感覚が、僕のどこかに残っている。恐らく物堅い両親の教育のたまものだろう。恐らく僕は一生株には手を出さないだろう。
株の世界は全く(僕の好きな)義理人情の入り込む余地がないので、ウェットな僕の肌に合わない。まあ、ただそれだけだ。例えば僕がHの親友だとして、「みんなが売っても俺は売らずに持ち続ける」というのは、Hと僕の友情には一役買っても、市場的にはそれこそ一銭の価値もない行動だろう。
でも、一銭にもならないことに僕は「掛け金」をおく行動が、けっこう好きだ。