美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

「1987,ある戦いの真実」

今日は、京都シネマで、韓国民主化運動をモチーフにした「1987,ある戦いの真実」を見に行った。今日は水曜日で割引だった。

 

youtu.be

 


『1987、ある闘いの真実』メイキング映像


【1987、ある闘いの真実】キム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ユ・ヘジン、キム・テリ、パク・ヒスン、イ・ヒジュンからのメッセージ

これは、あるソウル大生が水拷問で殺害されたことをきっかけに、様々な人がその「真実」を暴き出し、それが報道され、全斗煥政権が崩れていった現代史を切り取ったもの。もちろんフィクションも入っているが、概ね事実を元にした物語作りをしている。

当時「反共」といえば何でも許されるという世相で、検察、警察内ですら異議を唱えようものなら、即暴力におびえねばならないような時代。

はみ出しものだが、正義感のある検事がマスコミに大学生の拷問死をリークするところから始まり、サスペンス風味でそれが広がっていくのが主なストーリー。実際、検死をした医師によってその真相が伝えられたという歴史的事実もある。

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光州事件と取り扱った「タクシー運転手」もそうだったが、このところの韓国映画は、自国の「恥部」ともいえる歴史を、エンタメ成分も混ぜながら、素晴らしい映画に仕立て上げている。

両作品とも「元々はノンポリだったが、目の前で繰り広げられるあまりに酸鼻な現実を見て、いてもたってもいられずに立ち上がる」キャラクターがいる、という作りになっていたな。

俳優たちも素晴らしいが、まさかヒロインが惚れるイケメン長身大学生が、催涙弾の犠牲になった「」だったとは、ちょっとびっくり。そういう風に持ってきましたか・・・。

韓国現代史に興味のある方は是非ご覧ください。良作です。