美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

最近の頂き物

最近、研究者の知り合いがたくさん本を出して、それを送って下さるので、この半年ほどにいただいたものをまとめてご紹介。皆様、あらためてありがとうございます。

記憶と追悼の宗教社会学

記憶と追悼の宗教社会学

研究者仲間の粟津さんの博論を本にしたご著書。僕も最近沖縄の慰霊について調べつつあるので、常に粟津さんの御論攷は参考にさせてもらっています。
異教のニューカマーたち: 日本における移民と宗教

異教のニューカマーたち: 日本における移民と宗教

三木先生とは、関西に来てから仲良くしていただいているが、今回は三木先生を中心とした科研の成果。幅広く日本にやってきたニューカマーの宗教生活を追っている。僕にとっては、沼尻正之先生のハラールに関する報告が面白かった。
「呪術」の呪縛〈下巻〉 (宗教史学論叢)

「呪術」の呪縛〈下巻〉 (宗教史学論叢)

2年ぶりにこのシリーズが出た。実はこの上巻には僕も寄稿している(「近代朝鮮における“宗教”ならざるもの―啓蒙と統治との関係を中心に」というタイトルです)。というわけで、このプロジェクトが無事終わってほっとしております。これから諸先生方のものを読む予定。友人の白波瀬さんはずっと大阪のあいりん地区などをフィールドワークしており、そのエネルギーに頭が下がります。彼は以前に共著ですが、『釜ヶ崎のススメ』というのも出しています。
貧困の基本形態―社会的紐帯の社会学

貧困の基本形態―社会的紐帯の社会学

翻訳者の川野先生からいただきました。ありがとうございます。ヨーロッパの事例を元に考察されたものだが、本書で使われている「マージナルな貧困」や「降格する貧困」という概念は、「高度経済成長」という夢の時代を一度は生きたことのある日本にも応用可能だろうと思う。
江戸東京の聖地を歩く (ちくま新書1244)

江戸東京の聖地を歩く (ちくま新書1244)

最近では「聖地巡礼と言えば彼」という感じの岡本亮輔さんからもこの新著をいただいた。彼の前著『聖地巡礼 - 世界遺産からアニメの舞台まで (中公新書)』をいただいたとき、現代日本の「モデレートな宗教性」を考える時には、この「聖地巡礼」という概念が有用になるだろう、と彼とメールのやりとりをしたこともあります。
沖縄の保守勢力と「島ぐるみ」の系譜  政治結合・基地認識・経済構想

沖縄の保守勢力と「島ぐるみ」の系譜 政治結合・基地認識・経済構想

櫻澤さんから、またまた重厚な沖縄現代史のご著書をいただきました。沖縄でのフィールドワークの際、学生たちには、前著『沖縄現代史 - 米国統治、本土復帰から「オール沖縄」まで (中公新書)』(中公新書)を読めと指示しました。同僚の岡本先生から、また分厚いご著書をいただく。その旺盛な執筆振りは、畏怖を通り越してもはや恐怖(笑)。これも岡本先生から。先生の東洋史概論を下敷きに書かれたそうだが、明晰な文体で、ぐいぐい読ませる。知り合いの山下範久さんも絶賛していた
ボディントン家とイギリス近代: ロンドン貿易商 1580-1941

ボディントン家とイギリス近代: ロンドン貿易商 1580-1941

同僚の川分先生から、700頁もの大著をいただく。「ボディントン」と言えばビールかな、と思うが、関係はないらしく(笑)、この貿易商の数世紀を追うことでイギリス近代史の流れも見えてくる、という感じかな。
うたごえの戦後史

うたごえの戦後史

象徴天皇制研究者として、最近引っ張りだこの河西さんからもこの本をいただいていた。彼の合唱の趣味が歴史記述に結実したもの。このような下からの運動は、最近惜しくも早世された道場親信さんの『下丸子文化集団とその時代――一九五〇年代サークル文化運動の光芒』などとともに、研究が進められていくことを期待しています。
宗教とジェンダーのポリティクス: フェミニスト人類学のまなざし

宗教とジェンダーのポリティクス: フェミニスト人類学のまなざし

編著者の川橋範子先生からいただきました。ありがとうございます。世界中の事例が並んでいて、大学生へのガイドブックとして有用なものと思います。僕もネタ本にさせてもらう予定。
戦後歴史学と日本仏教

戦後歴史学と日本仏教

研究者仲間兼飲み仲間のオリオンさんから。これはタイトル通り、戦後の有名な歴史家や仏教(史)学者たちの業績を追ったガイドブック。今の学界で彼等の業績がどう位置づけられているかの確認に有用だろう。
入門 近代仏教思想 (ちくま新書)

入門 近代仏教思想 (ちくま新書)

清沢満之と近代日本

清沢満之と近代日本

ホッピー文化論

ホッピー文化論

  • 作者: ホッピー文化研究会,碧海寿広,藤野陽平,濱雄亮,高橋典史,岡本亮輔,小林宏至,おのみさ,小原佐和子
  • 出版社/メーカー: ハーベスト社
  • 発売日: 2016/09/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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京都の我が家で一番日本酒を飲んでいる人の一人である碧海さんのお仕事が昨年から怒濤のように出版され、全ていただいてしまい恐縮している。前者二つは彼のご専門の日本近代仏教史に関するもの。最後のは完全に趣味だよね(笑)。聖地巡礼研究の岡本氏もこの「ホッピー文化」に参加している。