美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

鈴木祥子@松本記念音楽迎賓館「No Microphone, Please」



今日は僕がずっと追いかけている(ファンでい続けている)シンガーソングライターの鈴木祥子さんのライブに、何と3年半ぶりに行きました。祥子さん、このところなかなかライブをしてくれないもので。
場所は世田谷の住宅街のど真ん中にある「松本記念音楽迎賓館」という所。ここは、音響メーカーのPioneerの創設者である松本望(牧師の息子だそうで、壁に聖書の一節が掲げてありました)の邸宅跡。マントルピースのある応接間に通されてびっくり。
会場はその二階にあり、小さなパイプオルガンが設置されていました。天井、壁、床全てが板張りの部屋(30畳ほどか)の真ん中にチェンバロチェレスタがあり、60名ほどの我々観客が囲む形。しかも、マイクなしで、生の声と音だけ、という形式。ライブのタイトルも「No Microphone, Please」というもの。元々熱心なファンばかり集まっていましたが、より集中して聴くことになりました。また、祥子さんの声を聴くのみならず、「音楽教室鈴木先生」が我々観客に「花(春のうららの〜)」「シャボン玉」などの唱歌を歌わせるコーナーまで!
以下、セットリストと感想を挟んでいきます。

1 I will get what I want 超・強気な女(チェンバロ
2 子供の時間(チェレスタ
「恨んでないよ、という歌詞ですが、めっちゃ恨んでるよね(笑)、この歌。というわけで、次はその恨みの「解毒」でこのカヴァーを」と始まったのが、
3 Farewell, Farewell (Sandy Denny)(チェレスタ
という曲でした。

4 空の休暇(チェンバロ
これも久々ではないでしょうか?『Radiogenic』所収。
5 名前を呼んで〜When you call my name(チェンバロ
おお、この曲が来たか!つい合いの手で「祥子」と叫びたいのをみんな我慢(笑)。

そしてここからは、大瀧詠一さんのカバー2曲。
6 ガラス瓶の中の船(大瀧詠一)(チェンバロ
7 恋のナックルボール大瀧詠一)(チェンバロ
ある意味超レア情報ですが、祥子さん、どうもプロ野球はヤクルトファンらしいです(笑)。25年間ほどファンをやっていて、初めて知ったぞ。

そしてここからが、ある意味このライブで最も他のものとは違うコーナー、すなわち「唱歌を合唱」という企画。って、我々は何も聞いていなかったんですが。祥子さん曰く、最近小学校とかで唱歌が音楽の授業で取り上げられなくなっているらしく、その傾向は哀しい。子ども同士で一緒に歌うのが楽しいから休み時間に歌う、なんてこともないだろう。というわけで、皆さんと歌いたい。滝廉太郎とか、昔の作曲家は一生懸命西洋の音楽を取り入れていて、コード進行が賛美歌に似ていてそういうところも良い、とその熱は留まるところを知らず、おっさんおばさん熟年が大半を占める会場は、以下の曲を一緒に歌ったのでした。でも、僕、「花」の2番なんか出て来なかったぞ。皆さん良く歌えたなあ。
8 花(滝廉太郎)(チェレスタ
9 シャボン玉(チェンバロ
10 花(チェレスタ)みんなで合唱
11 45 minutes (チェンバロ
12 天国への階段(Led Zeppelin )(チェンバロ

これが良くチェンバロに合う、というかほとんどの音をチェンバロだけでやってしまう祥子さんがすごすぎる。
13 旅立つことを決めれば(チェンバロ
新曲でした。
14 光の駅(チェンバロ

15 どこにもかえらない(合唱)
これもみんな良く歌えたなあ。グループを分けて、上と下でハモリました(何とか)。

Encore
1 Can't help falling in love (Elvis Presley )(パイプオルガン)

アンコールの一曲目がこれだったのですが、これがですねえ、僕は部屋の一番奥の小さなパイプオルガンの横の席だったのですが、アンコールの時それを使ったので、祥子さんがまさに1メートル以内の場所に(推定85センチほどの距離)!あの時は心の中で「大勝利」と思いましたよ(笑)。視線もばっちり合っちゃいました。あの時の僕は全身これ「ガン見」という状態だったでしょう。
2 逆プロポーズ(仮)(チェンバロ)(リクエスト)

3 あたらしい愛の詩(チェレスタ)(リクエスト)
https://www.youtube.com/watch?v=PYR7JFKzUYk
二つとも、たまたまCコードの曲でしたが、ナイスチョイス(リクエストしたのは、ともに知り合い)。
素敵な空間で、マイクなしでもここまでできるのだ、と確認できた濃密な時間を過ごせて満足でした。