美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

年度初めに

まだ正式には教員個々人の研究予算は下りていないのですが、科研も一つ通ったし、前借りみたいな形ですが先日、カッとなって年度初めの学術書まとめ買いをしました。以下にざっと挙げていきます。

研究者仲間にもこの研究をしているのも多く、僕としても気になる分野。
英雄になった母親戦士 ベトナム戦争と戦後顕彰

英雄になった母親戦士 ベトナム戦争と戦後顕彰

知り合いの京樂先生が、サバティカルでヴェトナム行ったと思ったらこんな研究書を!「戦争(戦場)とジェンダー」の問題を考察するために。
司祭平服(スータン)と癩(らい)菌 (岩下壮一の生涯と救癩思想)

司祭平服(スータン)と癩(らい)菌 (岩下壮一の生涯と救癩思想)

最近、岩波文庫で『信仰の遺産 (岩波文庫)』が復刻されたが、そのカトリック司祭岩下壮一の伝記研究。
ハリウッド・スターはなぜこの宗教にはまるのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)

ハリウッド・スターはなぜこの宗教にはまるのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)

サイエントロジーのルポ。朝日新聞の書評欄で、荻上チキさんが書評していた。
変容する死の文化: 現代東アジアの葬送と墓制

変容する死の文化: 現代東アジアの葬送と墓制

こういう渋い研究も押さえておきたい。学科図書室に入れる。
神の後に I: 〈現代〉の宗教的起源

神の後に I: 〈現代〉の宗教的起源

神の後にII: 第三の道

神の後にII: 第三の道

「After God」という原題がかっこよくて有名なのだが、ようやく待望の邦訳。
宗教と政治の転轍点 保守合同と政教一致の宗教社会学

宗教と政治の転轍点 保守合同と政教一致の宗教社会学

後輩塚田君の博士論文。戦後の宗教と政治の関係を語るときには欠かせない必読文献になるだろう。
遊廓のストライキ: 女性たちの二十世紀・序説

遊廓のストライキ: 女性たちの二十世紀・序説

デザインがかっこいい。関係ないけど、著者の方は家が近所だな(後書きで知った)。
北海道神宮研究論叢

北海道神宮研究論叢

明治神宮以前・以後

明治神宮以前・以後

近代に創建された大きな神社二つに関する論集をまとめて。知り合いも多数執筆しているし。
神道思想史研究

神道思想史研究

以前この高橋先生の伊勢神道に関する論文は読んでいたが、これは中世から近世の神道に関するスケールの大きなもの。
帝国に抗する社会運動 第一次日本共産党の思想と運動

帝国に抗する社会運動 第一次日本共産党の思想と運動

日本共産党の創成期を再考したもの。このあたりは全く暗いので・・・。
世界宗教の発明――ヨーロッパ普遍主義と多元主義の言説

世界宗教の発明――ヨーロッパ普遍主義と多元主義の言説

とうとう出ましたよ。アサドも大変だけど、こっちも大変。でも読まねば。増澤先生は一度だけ島薗院ゼミのゼストでお呼びしてお話ししたことがある(ちょうど日本に一時帰国中だった)。昔、アンベードカルで卒論を書いた学生を指導して、僕もこのあたりを少し勉強したことがあるが、今現在の姿は知らないので。こちらは、現在増えているといわれるモンゴルのキリスト教についての本。2年前、ソウルでの「韓国宗教学会」でご一緒したウランバートル大学の先生のご発表も、自国のキリスト教についての発表だったが、原稿はキリル文字で書かれたモンゴル語で、それが韓国語に同時通訳されるというので、正直半分も分からなかったんだよね・・・。
行動する預言者 崔昌華――ある在日韓国人牧師の生涯

行動する預言者 崔昌華――ある在日韓国人牧師の生涯

在日韓国人牧師の伝記。