美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

平戸へ

生まれて初めて、長崎県平戸市に同僚と3人で出張。僕としては、平戸といえば「カクレキリシタン」というわけで、誘ってくれたU杉先生に感謝しつつ同伴(長崎県自体も、実は生まれて初めて)。この日は、そのカクレキリシタンの島として著名な生月島に行き、博物館「島の館」で学芸員の型にお話を伺う。生月島は江戸時代にから捕鯨の島としても著名で、この博物館も、捕鯨の歴史とカクレキリシタンの歴史展示がメイン。「納戸神」と呼ばれたカクレキリシタンの信仰対象や、オラショについて色々と面白いお話を伺う。特に、カクレキリシタンにも実は地域差(大きく分けて2系統)があり、僕は自分でも昔ちょっと講義で喋った「浦上崩れ」の主体であった長崎周辺の方(浦上・外海系統)は結構調べて本も読んだつもりだったのだが、もう一つの系統のこの平戸・生月系統のことはよく判っておらず、仏教、神道などあらゆる宗教と併存する信仰形態であるとのことを改めて知った。

その後、平戸に戻り、カクレキリシタンの郷(この集落は全部カクレの信仰を保持してきたそうだ)の棚田や殉教の跡地に連れて行って貰う。

この殉教地「うしわきさま(おろくにんさま)」は、海水浴場としても有名な根獅子(ねしこ)にあり(その横には「切支丹資料館」がある)、儀礼の時は信者達は裸足でこの浜に来なければならないといわれていたそうな。


夜は案内してくれた市の教育委員会の方と会食。刺身の盛り合わせだけで幸せになれる「内陸」京都の我々。