美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

トガニ(도가니)鑑賞

話題となっている映画「トガニ(るつぼ、の意味)」を妻と京都シネマまで見に行く。
これは韓国で空前のヒットとなった作品で、実話を元にした「告発もの」の一つ。障害児児童を性的に長年虐待していた学校関係者、という酸鼻な実話がそのままスクリーン上で再現され、その酷さに観客は泣いてカタルシスを得ること自体に罪悪感が湧いて、安易に泣けなくなる状況になるほどの映画。
映画としてみると、主演のコン・ユとチョン・ユミのすばらしさもさることながら、被虐待児役の3人の演技は素晴らしすぎる。マジで、あんな役をやらされたらトラウマになるんじゃないか、とこっちが心配になるほど。
この映画では告発の後の裁判シーンも見所なのだが、裁判での「不条理」「理不尽」さもこの映画の大きなテーマとなっている。これはまさに他人事ではなく、被害にあった人間が裁判でより深く傷ついてしまうことなど、日本の裁判でもざらにある(ついでに言うと日本でも哀しいことに障害者虐待などは「よくあること」なのだ)。