美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

アナロジカルに歴史を語る可能性

旧知の與那覇潤先生から新刊をいただき、早速拝読。これは面白い。細かい実証的な論文ばかり読んでいるせいか(笑)、こういう「大風呂敷(ほめ言葉)」というか、文明史的なお話しは新鮮だし、ぱっと視界が開ける感覚がある。

中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史

中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史

世界システム論同様、細かい反証を出していくより、「この刀でどのような事象が切れるか」ということを考える方が、この書の読み方としては適合的だろう。もっと言うと、「中国化」という概念(もしくはアナロジー)の射程が、與那覇さんの類い希な筆力で「ほほう」と納得させられるところに、この本を読む快感がある。
さきほど、本屋では以下の新書を購入。
新しい世界史へ――地球市民のための構想 (岩波新書)

新しい世界史へ――地球市民のための構想 (岩波新書)

羽田先生も、大きな「世界史」という概念をどう扱うべきか、ということを考察している模様。
国家と歴史 (中公新書)

国家と歴史 (中公新書)

戦後日本の「歴史問題」全般を鳥瞰した感じの目次だったので、購入。