美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

書評会

今日は勤務先で、この本の書評会があり、僕も参加する。

精神の歴史 近代日本における二つの言語論

精神の歴史 近代日本における二つの言語論

著者の田中君は前々から知っている仲なので(彼が言いたかったこともその人格もほぼ判っているつもりなので)、僕としては、外部の人がこの本をどのように料理するかに興味津々だったわけだが、実際、コメンテーターのお二人は、この浩瀚にしてややこしい本を上手く調理なさっていたと思う。第三者の僕から見ても、不当と思える批判はほとんど無かったと思う。僕は書評会中は遠慮して発言しなかったが(「身内」があまり発言するものではない、と思っていたので)、終わった直後に彼に、この本のキーコンセプトである「《文学》」というものについて、ちょっと苦言を呈する。要するに僕が言いたかったことは、感覚的には判る気がするのだが、いざ例えばこのコンセプトを英語で表現するとしたらどうする、といういささか意地悪な質問。これは過去に僕が受けた「洗礼」の一つで、「英語でサマリーを書こうとしたとき、単純な単語の取捨選択に困るようなものは書くな」と言われたことがある。日本語の微妙なニュアンス(括弧付きの表記なども含めて)だけに頼っていてはダメだ、ということを僕のお師匠様たちは言いたかったのだと思う。
書評会の後はいつものように懇親会。僕は二次会まで出て、これまたいつものように終電までコース。