美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

美代子阿佐ヶ谷気分

今日は仕事を終えて、そのまま映画館「みなみ会館」に向かう。レイトショーのため。レイトショーを一人で見るのって、久しぶり。そもそも映画自体も久しぶりだよな。ちなみに今までの人生で一番レイトショーを見ていたのは、大学2年生の時。明大前に下宿していた僕は、銭湯の帰り道、そのまま「下高井戸シネマ」で良くレイトショーを見ていた(「ル・シネマ」とかでやったのが回ってくるのでお得感があったのだ)。と「青春時代」を思い出しつつ「青春映画(だよね)」を見るが、「川瀬明大前気分」って訳にはならない(良い思い出があまりないから)。
今日見た映画は、「美代子阿佐ヶ谷気分」。僕は原作のマンガのファンなので、気にしていたのだ。今日から公開。

美代子阿佐ケ谷気分

美代子阿佐ケ谷気分

どれくらい見に来る人がいるかな、と思ってたけど、意外と入っていたな。
で、感想だけど(以下多少のネタバレ)、様々な安部愼一のマンガをコラージュして作るんだろうな、と思ったらその通りだったので、僕みたいなファン(どの作品かも大体判る)は安心して見ていられたのだが、全く予備知識がないと結構先が読めなかったかも知れないな(逆に、僕のような見方は邪道だと思うけど)。ストーリーは、原作が原作だけに、暗い。もう、酒が飲みたくなるレベルの暗さ(アベシンの作品は、読むと酒が欲しくなるってのは誰かも言っていた気がするが)。ある意味、原作に忠実すぎて、「映画化したら、こんな感じだろうな」という範囲で収まっていたのも事実。悪くはないのだが、もう一押し、というのが正直な第一印象。
で、安部愼一役の水橋研二だけど、冒頭の演技が過剰で、ちょっと引いちゃった。だんだん落ち着いては来るんだけど。親友役の松浦祐也(髭もじゃの爆弾作成者)も、演技過剰で、ちょっと僕の好みではない。でも、「主人公」たる美代子役の町田マリーは、その裸体も含めて非常に良い感じ(ナイスバディ、というのではなく、リアリティのある裸とでも申しましょうか)。彼女が全体を引き締めていたよな。もう一人の親友役の本多章一も良い感じだったな。で、やっぱりこの手の映画だと、絶対出てくるのが佐野史郎(笑)。あとはガロ関係者がゾクゾク(喫茶店のシーンで、しまおまほと杉作J太郎がカップル役だったのには笑った)。
帰り際に、パンフとまだ買っていなかった単行本を購入。
天国―安部慎一作品集

天国―安部慎一作品集

ある時期の安部愼一の描く女性の美しさは神々しいとまで思っています。