美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

侮辱だよね

気になるニュースから。まずは、横浜市のいくつかの区で、例の歴史教科書が採択された件。
第一印象は「知」を教えるというのに、こういう「反知性主義」の主張(教科書)がまかり通るとはなあ、というもの。慨嘆するより他はない。あと、やっぱ松下政経塾の奴らって、だめだなあとか色々あるのだが、ここでは問わない(面倒くさい)。
この教科書の問題点をつらつら述べるのも不毛なので、この教科書の支持者が好きな「国益」って言葉から考えてみる。この教科書の特徴は、「他国もやっているんだから、こっちも好き放題自国に誇りを持つような記述にして何が悪い」という点に集約されると思うが、こういう記述したら、それこそ、例えばお隣の国の教科書にも文句言えなくなっちゃうんだけど、その点はどうなのかな?「お互い様」って切り返されたら終わりだぜ。というわけで、他国の「歴史解釈」に口出しできなくなる、という点だけでも、僕はこの教科書は充分「国益を損ねている」と思う。
あと、明日広島の原爆の日にあのどうしようもない歴史観(あんな「陰謀史観」の持ち主に指揮されていたら、絶対負ける)を露呈した田母神某が広島の人々、いや、反核を願う全ての人々の神経を逆なでするような講演会をやるらしい。広島市長が「ちょっと待った」というのは当然。
この二つのニュースは、「侮辱を受けた」と思う人がやろうとしている、歴史に対して侮辱的な事件だと思う。