美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

「全体主義」の美学

今日は大学院ゼミの日だが論文読むのが面倒くさくなってちょっとズルして「映画から政治を考える」というテーマを立てて、僕の手持ちの作品を視聴覚教室で鑑賞することに。今日みた作品はずばり、

金日成のパレード [DVD]

金日成のパレード [DVD]

いやあ、僕は数年ぶり、4度目ほどの鑑賞だが、何度見てもすごいなー。佐藤慶の淡々としたナレーションが素晴らしすぎる。見た学生諸君もあっけにとられたようだ。これは1988年の建国40周年セレモニーをポーランドのスタッフが撮影したもの。ちょうどその頃、ソウルではオリンピックが、そして東欧はビロード革命をはじめとして、「崩壊」の足音か聞こえつつあった頃なんだよな・・・と感慨に浸る。
映画を見終わった後、一応授業らしく「北朝鮮金王朝は、天皇制の最悪のカリカチュアの一つ。戦前の日本は、外から見たらあんなもの」だとか「マスゲームは美しいものです。全体主義は美学を何よりも重んじます。ナチスの軍服が「美しい」のは当たり前」だとか、「映画で金日成同士、万歳!と叫びまくっているけど、「万歳」という言葉も日本が発明して輸出されたんだよね。ちなみに安重根はハルピンで伊藤博文を射殺したとき、周りのロシア人に聞かせるためにロシア語で「ウラー(万歳)」と叫んだんだよ」とか、トリビアも交えつつ解説。
その後は、院生のS田君が連れてきた、現在イギリスに留学中のS君という学生さんと3人でタイ料理屋で夕飯。喋りすぎた。反省。