美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

オーラルヒストリー

今朝の朝日新聞で、朝鮮近代史料研究会の記事がありビックリ。こういう地味だが重要な活動を取り上げてくれた記者の方、GJ。久々に、宮田節子先生のお姿も拝見することになった。
「証言」を巡っての議論が歴史学では喧しいが(どちらかというと、歴史学に敬意を抱いていない方面から「証言」に対しての物言いが喧しい、といった方が正確だろうけど。例えば沖縄の「集団自決」問題とか)、この研究会は、植民地朝鮮で「統治する側」にいた色んな人にインタビューをして、結構正直な肉声をテープに記録したり、時にはそれを活字化したりしてきた研究会(僕は直接関わっていないが、友人が何人か関わっている)。僕も昔論文で、活字化された朝鮮総督府初代宗教課長のインタビューなどを使わせてもらったことがある。
無い物ねだりだけど、ついこういう地味で時間のかかる作業は「でかい科研でも当たって一気にできないものかな」なんて考えてしまう。こういう僕の考えは非常に「貧しい」ものなのだけどね(ついでに言うと、日本の学界を蝕んでいる大きな思想的問題は、COEとか大型科研とかの過当競争だと思っている。身近に関わっている人が多いし、僕の友人の多くもCOEの業務で助かっている人間が多いので、こういう事を言うのは気が引けるのだが)。