美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

パワポ嫌い

今日、理系の某先生と話し合っているとき、パワーポイント(以下パワポ)の話になった。その先生とは、来年度以降の新入生に対してどのような教養教育をするか、また学生向けのマニュアルをどう作ろうかということを話し合っていたのだが(実は失念していたアポとはこれ。先生からお電話をいただいたのだ。平謝りだ)、先生が言うには、新入生にもパワポでのプレゼンテーションのやり方を教えよう、そのマニュアルも作るべきだ、というご意見だったが、僕自身パワポを全く使わない(使えない)人間で、また使うような分野でもないものだから、冷淡にも「一年生とか、早い段階でパワポを教えても、下手くそな紙芝居になっちゃいますよ」と口が滑ってしまった。電話越しだから判らないが、先生の顔は曇っていたと思う、恐らく。
理系ではパワポによるプレゼンがいわばデフォルトと化しているので、それを早い段階から教えたいというお気持ちだったのだろうが、やはりこのプレゼンソフトには向き不向きがあると思う。僕は下品な言い方を許してもらうなら、パワポは基本的に「こけおどし」のためのソフトだと思う。紙で改めて見るとしょーもない図表でも、エフェクトを使って演出すると、結構大したものに見えたりもするし(笑)。それにパッパと画面が切り替わるので、そのプレゼンに突っ込みたくても「3枚目のスライドの○○はどういう意味ですか?」とかは言いづらい。
僕が主に文献(特に活字化されたもの)を扱う人間だから、これまでもパワポによるプレゼンの必要性を感じなかったのだが、例えば文学部系でも、発掘物や歴史の古文書や美術品のように「コピーできないもの」の写真を扱ったり、文化人類学のようにフィールドワークしてきた様子の写真を大量に見せたり、社会学や心理学において統計グラフを鮮やかに見せたり、というのはパワポも「あり」だと思うけど、基本的に本を読んでまとめてくるような場合には、パワポは不要どころが良くない代物だと思う(実際、新入生にどのようにレジュメを作らせるか、というマニュアル作りでの話し合いだったのだ)。
ちなみに、僕の大学のPCにはパワポが入っていますが、起動させたのは1度だけです(オープンキャンパスの時に来客にお見せした学科紹介のファイル。同僚のI上先生が作られ、僕がそのチェックをした時だけ)。