美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

ビジュアル系

ジェンダーやらセクシュアリティやらを考えることが多い今日この頃ですが、電車の中で、以下の本をほぼ読了。

ヴィジュアル系の時代―ロック・化粧・ジェンダー (青弓社ライブラリー)

ヴィジュアル系の時代―ロック・化粧・ジェンダー (青弓社ライブラリー)

いわゆる「ヴィジュアル系」を、社会学的な視点から分析しようとした論集。僕がぼんやり思っていたことがけっこう明確に(身も蓋もない形で)語られている、というのが第一印象。つまり、ヴィジュアル系は一見ジェンダーの攪乱に見えるが、実は男らしさ、女らしさという旧来のジェンダー秩序あってこその存在で、知らず知らずそれを補強しかねない、ということ(特に、第3章の井上貴子論文参照)。大体、ヴィジュアル系バンドって、結局男ばかりのホモソーシャルな存在であることは揺るぎないしね。

20年ほど前は、ヴィジュアル系の先祖というか、親類とされていた「ポジティヴ・パンク(ポジパン)」がけっこう好きだったので、個人的にも気になる問題だ。中学生、高校生の時は、兄の影響で「G-Schmitt(ドイツ風にゲー・シュミットと読む)」というバンドに入れ込んでいた。これはヴォーカルの女性(SYOKOさんといいました)がメチャクチャ美人で、その「ヴィジュアル」に一目惚れしたのだが(笑)。コンサートなんか、バンドメンバーも、観客も真っ黒ずくめの衣装でゆらゆら揺れてお葬式のようなコンサートだったりしたしな(「Kの葬列」という曲もあった。楠本まきのマンガのタイトルにもなっていましたね)。勿論、ハードでガンガンに行くときもあったりしたけど。